「ホームルーターとモバイルルータをSIMカードを差し替えて利用したい」
というあなたにホームルーターとモバイルルータの使い分けの要領について解説します。
おすすめの料金プランや端末についても紹介していますので、ホームルーターとモバイルルーターの2台運用を検討されている方の参考となれば幸いです。
ホームルーターとモバイルルーターでSIMカードを差し替えて運用
自宅ではホームルーターで各種デバイスを接続し、外出時にはホームルーターのSIMカードをモバイルルーターに接続。
自宅でも外出時も同じ要領でネット接続することを目指します。
ホームルーター・モバイルルーターともに5G対応で、テザリング含めてデータ通信量が無制限のプランのSIMカードを用いることでおおむね達成できます。
ホームルーターとモバイルルーターでSIMカードを差し替えて運用するメリットとデメリット

通信料金の1本化が可能
自宅のネット通信・外でのネット通信が1回線からの請求となるため、通信料金がすっきりします。
光回線とスマホ代のように分かれていると、合計でどれくらいかかっているのか分かりにくかったり、プランの管理なども手間なのではないでしょうか。
ホームルーター・モバイルルーターを使い分けることによって管理の負担が和らぐでしょう。
家でも外でもネットが利用可能
自宅でも外出先でも契約する回線の電波を受信できる限りどこでもインターネットが利用可能です。
外出先であればモバイルルーターを用いるため、所持しているパソコンやスマホなど複数の端末の同時利用も可能です。
ノマドワーカーやツーリングなどでも利用しやすいでしょう。
公認されている方法ではない
キャリアから販売されている周波数制限のある端末を使用する場合は、動作が保証されていない場合があります。
保証がなければ動作しないわけではありませんが、公認されているほうが気持ちよく利用できるのではないでしょうか。
料金が割高
後述するドコモのデータ無制限プランのeximoは月7,000円を超えており、安いとは言えません。
光回線とモバイル回線を組み合わせているほうが安くつくかもしれませんが、eximoでのホームルーター・モバイルルーター運用であれば、家でも外でもデータ無制限で利用できるというメリットがあります。
おすすめできるユーザー

家でも外でもデータ量を気にする必要のないネット環境が欲しい人
自宅では光回線代わりのメイン回線としてがっつり使用する予定があるうえ、通勤中や移動時間でもデータ量を気にせずネット通信を使用したいという人におすすめの運用方法です。
外で使う予定がなくても、使えるようにしておくというだけでもいざというときに役立つかもしれません。
例えば災害リスクに備えられる点がメリットの一つです。
日本に住む以上どこにいても災害のリスクがあります。
万が一自宅が被災し、避難しなければならない状態になっても、SIMカードとルーターをもって避難すれば避難先でも基地局が被災していない限りはバックアップ回線としての活用も期待できます。
音声通話可能なSIMカードであれば、万が一の際の電話回線としても利用できます。
災害時には迅速に正しい情報を得ることが大切です。
特例として各キャリアがデータ使用量の上限を一時的に緩和してくれるなどの対応がとられる可能性も否定はできませんが、自分で用意できることは自分で対応しておくのが一つなのではないでしょうか。
ルーターはなくてもSIMカードをSIMフリー端末に挿せば利用可能です。
SIMカードがほぼどの端末でも使用できる状態にあるのは非常に便利でしょう。
外出中に自宅の機器のネット接続が不要な人
外出中は自宅の端末のネット通信が遮断されていても問題ないというユーザーが対象となります。
外出中に家族などがホームルーターでインターネット接続を行う場合は対応できません。
どちらかというと独り身のユーザーを想定した運用方法となります。
SIMカードが1枚での運用を前提としているため、SIMカードが挿されていない端末は通信不可となります。
例えば外出中にネットワークカメラなどを接続しており、外出先からもチェックできる状態にしておきたい場合や、NASを運用していて外出先でもアクセスできるようにしたい場合などはお勧めできません。
しかし一応の策として、追加で費用を要しますが、後述の「データプラス」の契約をすることである程度改善可能です。
賃貸で光回線導入に際して工事が必要な人
賃貸住宅には必ずしも光回線設備が設けられているとは限りません。
管理者と合意の上、自宅に光回線の引き込み工事ができる場合もありますが、交渉の手間や原状回復の必要性などによって導入をためらってしまうかもしれません。
賃貸での光回線導入が難しい場合でも、ホームルーターがあればSIMカードをセットして電源をつなげば利用可能となります。
引越しをする際も少なくとも光回線導入に関する原状回復について考慮不要となるため、設置しやすいのが特徴の一つです。
ドコモのeximoプランのSIMを使用
ホームルーターとモバイルルーターの使い分けを行う場合は通信プランの選定が重要です。
家でも外でもある程度快適にデータ量を気にせずネットを使い続けられる環境の構築を前提としているため、通信量は無制限である必要があります。
また、様々な端末での利用を想定するため、ホームルータープランではなく通常の通話機能付きのSIMカードの契約が良いでしょう。
上記の条件を踏まえるとドコモのeximoがおすすめです。
テザリング利用でもデータ量上限なし
eximoはテザリング利用でもデータ量を気にせずに利用できます。
eximoをモバイルルーター・ホームルーターで使用すると、テザリング扱いとなりますのでテザリング利用の上限が設けられていないことが重要となってきます。
データ無制限で定額制・スマホでも利用可能
eximoは通信量無制限で利用可能です。
スマホプランとして想定されているため、通話にも対応しています。
普段は固定回線で利用しつつ、いざというときは出先でも利用する運用体制としてはうってつけのプランといえるでしょう。
「データプラス」で一定データ量であればSIMカードの差し替えも不要に
ドコモには「データプラス」というオプションサービスも提供されています。
親回線に紐づけを行い、親回線のデータ使用可能範囲内でデータ通信のみが可能なSIMカードを1枚1,100円/月で発行してもらえるサービスです。
データプラスでSIMカードを追加発行すれば、SIMカードをホームルーター・モバイルルーターどちらにも挿されている状態での運用も可能です。
なお、親回線のデータ使用可能範囲が無制限である場合は、子回線のデータ使用量は30GBまでとなります。
子回線までデータ量が無制限になるわけではないので注意しましょう。
eximoは新規契約受付終了予定
ドコモの新料金プラン発表に先立ち、2025年6月にeximo含む従来プランの新規契約の受付が終了となります。
新料金プランのデータ無制限プランで、テザリングを含めて無制限であるかどうかについては、現在確認が取れていませんが、eximoがテザリング無制限であることを踏まえると、同様に対応可能であることが予想されます。
詳細判明次第、補足する予定です。
ホームルータープランで発行されるSIMカードの使いまわしは注意
例えばドコモのHome 5Gプランの契約により発行されるSIMカードはHome5Gのみでしか通信ができないようになっています。
他のSIMフリー端末にHome5GプランのSIMカードを挿しても通信はできないので、ホームルーターとモバイルルーターでSIMカードを使いまわす際には契約するプランについては注意しましょう。
「Speed Wi-Fi HOME 5G NAR02 L12」と「Aterm MR51FN」のコンビ
ホームルーターとモバイルルーターを2台運用する場合のおすすめ端末は「Speed Wi-Fi HOME 5G NAR02 L12」と「Aterm MR51FN」となります。
NECプラットフォーム製5G対応ルーター
どちらもNEC(日本電気)系のメーカーが提供するルーターとなっています。
メーカーのブランド力に加え、ネットワーク機器の分野で長年事業を展開している点においても購入に踏み切りやすいのではないでしょうか。
どちらも日本製であるという点も特徴の一つです。
WPA3に対応
どちらのルーターもWPA3というセキュリティ規格に対応。
新しいセキュリティ技術が採用されている点でより堅牢な通信が期待できます。
「Speed Wi-Fi NAR02 L12」
利用できる周波数に制限有り
「Speed Wi-Fi NAR02 L12」はau・UQ Wimaxのホームルーターとして販売されていました。
したがって、受診できる周波数帯がau系の周波数が中心となっています。
ドコモ系・ソフトバンク系と共有している周波数もあるため、他社のSIMカードでも使用可能のため、実際使用する分には必ずしも問題にはならないかもしれません。
一方で、カタログスペックとして対応していないという点では若干気になるのも否めません。
現在新品での購入は困難
「Speed Wi-Fi NAR02 L12」は現在販売を終えています。
したがって現在入手するためには中古市場で出回っているものから選ぶこととなります。
他者が使っていたかもしれないネットワーク機器に接続することに抵抗がある場合などは選択を避けたほうが良いでしょう。
5G/4Gの切り替えが自動
au系の5Gの受信に対応しているものの、4Gと5Gの切り替えはできないようになっています。
4Gエリアと5Gエリアの境目にいて、切り替わりが激しい場合などは安定的に接続できない可能性があるため、エリアのチェックは必須です。
また、端末が熱くなると温度上昇を防ぐため4G通信に切り替わるという説明も確認されています。
「Speed Wi-Fi HOME 5G NAR02 L12」代替案として「Aterm HT100LN」も
「Speed Wi-Fi NAR02 L12」は上記の通り懸念点が少なくないため、ベストチョイスとは言い切れない節があります。
「Speed Wi-Fi HOME 5G NAR02 L12」の代替案として「Aterm HT100LN」も選択肢の一つです。
「Aterm HT100LN」はSIMフリーのLTEホームルーターで2017年から発売されているロングセラー商品です。
バンド1・3・19の3つに対応
「Aterm HT100LN」の対応する周波数はバンド1・3・19の3種類。
ドコモのLTEバンドである1・3に加え、19はドコモのプラチナバンドのため、主にドコモ回線の利用が想定されています。
商品の広告にも「機能を絞って低価格化を目指した」と記載があるように、対応している周波数を最低限に絞っているところにもコストカットの努力が見られます。
5G非対応
2017年発売ということもあり、5Gには非対応で受信できるのはLTEのみとなっています。
3Gにも対応していません。
LTEはエリアも広く、現状サービスが終了されるという情報も確認できません。
当面のうちのホームネットワーク環境の構築には十分でしょう。
WPA3非対応・AESには対応
一方新しいセキュリティ規格であるWPA3には非対応です。
WPA3の一世代前のWPA2には対応しており、現状のセキュリティ情勢にも耐えうるAESという暗号化方式にも対応。
WPA3に非対応でも直ちに危険というわけではありません。
「Aterm MR51FN」
「Aterm MR51FN」は5G通信が可能な数少ないモバイルルーターの一つです。
いくつか問題点は指摘されているものの、ハイエンドモデルとしてのブランドが魅力の一つです。
4キャリアの各種バンドに対応
docomo・au・softbank・楽天モバイルの4G・5G電波の受信に対応。
周波数もフリーで設定されているため、日本国内で利用する限りはデータ通信の主要な電波の受信にはほぼ対応しています。
お好みのキャリアのSIMカードでモバイル通信が利用できるのがメリットです。
バッテリー持ちの面で懸念有り
連続通信時間が5G・Wi-Fi利用時で8時間で、4Gに限定させたとしても9時間。
朝早く出かけて、夜遅く帰ってくる場合などはバッテリーが持たず、モバイルバッテリーなどで補う必要があります。
モバイルルーターなのにモバイル性が低いというのは弱点と言わざるを得ません。
熱暴走の可能性
価格.comでのレビューなどを参考にする限り、「発熱がひどい」旨のレビューが数件確認されています。
発熱によって通信が良く途切れるとの報告もあり、夏場の利用は難しいかもしれません。
熱が発生しやすい性質があるうえ、端末が黒いという点もまたより発熱に拍車をかけているようにも感じます。
「Aterm MR51FN」の代替案として「Aterm MR10LN」も
「Aterm MR51FN」にはバッテリー持ちや発熱の面で懸念があります。
懸念点のために購入をためらう方には「Aterm MR10LN」の選択も視野に入れるとよいでしょう。
20時間駆動のバッテリー
「Aterm MR51FN」の懸念点であったバッテリーの持ちを克服しているのが特徴。
20時間、ほぼ1日持つため事前に充電していれば、モバイルバッテリーの充電持ちを気にしてモバイルバッテリーを持ち出す必要がないのは荷物が減るため良いでしょう。
「Aterm MR51FN」よりも安価
ざっくりとした相場ですが、「Aterm MR51FN」は大体3.5万円くらい、「Aterm MR10LN」は2万円くらいの価格設定となっています。
「Aterm MR51FN」より1万円以上安くで購入できるためお財布にも優しいです。
5G非対応・WPA3対応
「Aterm MR10LN」は5G通信には非対応です。
4G・3G通信での通信となるため、最新の通信技術を活用したいという方は避けたほうが良いでしょう。
一方で通信の安定性やバッテリー重視でモバイルルーターを探している場合は、「Aterm MR10LN」はうってつけの商品の一つでしょう。
セキュリティ規格としてはWPA3対応です。
5G非対応端末ではあるものの、発売は2021年となっており、セキュリティは新しいものに対応しています。
5G非対応だから技術的に古いのでは、という懸念については気にせずに利用できるでしょう。
ちなみに携帯電話用のSIMはpovo2.0で原則0円運用
外出時はモバイルルーターを持ち歩き、ネット接続はモバイルルーターから行います。
それだけでは電話機能は使えないので、povo2.0で電話回線を契約しましょう。
LINE電話などデータ通信で電話可能なサービスも増えてきていますが、110や119などの緊急通報には従来の電話回線が必要です。
緊急時の連絡手段を確保するためにも電話回線の導入も併せてお勧めします。
なお、電話回線での電話が多くなることが予想される場合は通話し放題オプションなども設けられています。
povo2.0は都度払い制なので、必要な時に必要な分を支払えば、余分な通信費を抑えられるでしょう。
長期間トッピング未購入には要注意
povo2.0については、180日以上トッピング未購入であれば、サービス停止の対象となります。
基本料金0円に甘えすぎず、感謝する気持ちで定期的にトッピングを購入しましょう。
110円からトッピングは提供されているので、180日に1回何かしらのトッピングを購入すればよいという条件を踏まえれば、厳しい条件ではないでしょう。
SIMカードを差し替えてホームルーターとモバイルルーターを使い分けてみよう
SIMカードを差し替えてホームルーターとモバイルルーターを使い分ける運用方法について紹介しました。
通信プランはドコモのeximo・ホームルーターは「Speed Wi-Fi NAR02 L12」ないし「Aterm HT100LN」・モバイルルーターは「Aterm MR51FN」ないし「Aterm MR10LN」がおすすめです。
メリット・デメリットを踏まえ、ホームルーターとモバイルルーターを場面ごとに使い分けることでより便利なインターネット生活を過ごすための参考となれば幸いです。
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